なぜ、中国の元建ビットコイン取引高は「飛躍的な伸び」を観測したのか?

ビットコインは21世紀の「有事の金」となるのだろうか。
ロンドンに拠点を置く仮想通貨通貨投資ファンド「ID Theory」が収集したデータによると、P2P方式の仮想通貨取引所LocalBitcoinsにおける中国元建のビットコイン取引高が、他のアジア地域の法定通貨の取引高を大きく上回ったことが明らかになった。
上記のグラフは、先週とその前週の出来高を示したものだ。
中国の法定通貨である元建ての先週の出来高は、前週を10万ドル上回る290万ドル(約3億1500万円)となっている。前週比で最も大きな伸びを見せたのは、タイバーツおよび香港ドルだ。
しかし、LocalBitcoinsにおける世界の出来高の推移をみると、アジア以外の地域の直近2週間の出来高は全て減少に転じていることがわかる。
世界2位の経済大国となった中国の動向が、アジア地域に及ぼす影響は甚大だ。先週18日に中国国家統計局が発表した7月~9月期の国内総生産(GDP)は前年比6.0%増と、1992年以降最低の伸長率に鈍化した。
この発表に先立ち、中国人民銀行は16日、中期融資機関を通じて2,000億元(約3兆円)の現金注入を行い、金利安定化を図っているが、長引く米中貿易戦争が国内経済の減速に影響を与えていることは否めないだろう。
さらに、李克強首相が先月、中国のGDPの伸び率が6%を維持するのは「非常に困難」と発言するなど、中国経済は高度成長期からの転換点に差し掛かっているとの見方も散見される。
LocalBitcoinsでの中国元建のビットコイン出来高の伸びは、景気減速への懸念から、他の資産クラスとの相関が低い「安全資産」としてのビットコインの需要が高まっているのではないかと、仮想通貨メディア Crypto Briefingは分析している。景気減速は中国だけに限らない。
ドイツ連邦銀行(中央銀行)は、第3・四半期(7月~9月)にマイナス成長となった可能性があると発表。
米中貿易戦争や英ブレグジットなど混迷を深める世界経済の影響により、輸出志向型業種の低迷が続いていることが決定的な要因だとした。また、国際通貨基金(IMF)は、今年の世界経済の成長率を過去10年で最も低い伸び率となる3.0%へと見通しを下方修正している。
2008年のリーマン・ショックに端を発する世界金融危機を招いた金融システムへのアンチテーゼとして誕生したビットコイン。リセッションリスクの台頭を含め、世界的な景気後退が観察される中で、リスクヘッジの選択肢の一つとして、少なからずビットコイン投資も含まれるようになっているようだ。
その選択が正解かどうかの答えは、今後の世界経済の行く末を見守るしかない。

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